三年ぶりのセネガルでのラマダン
やっぱりラマダンはセネガルで過ごすのが断然楽しい!!
人々のそわそわ感。ウキウキ感。イライラ感。
街全体のモードがきっちり切り替わる。
なんて言えば伝わるだろうか。
こればっかりは言葉で説明できない!!!
日の出から日没まで一切の飲食を断つので、人々の生活もガラッと変わる。
ブティックもパン屋も道端の食堂も、営業時間が変わる。
断食明けの食事( Ndogou ンドグ )を家族と取るために、家路を急ぐ人たちで、毎日ものすごい渋滞が起きる。
断食のせいでイライラしたドライバー達が多くなり、事故も多発。
喧嘩も増え、街中ではしょっちゅう喧嘩や殴り合いを見かけるようになる。
「サーガ」という侮辱の言葉(FU★K)のオンパレードだ。
数日前に乗ったバスは大暴走だった。
時は夕方6時前。
断食による疲労、空腹もピークを迎える頃。
バス内はまさしく通勤ラッシュ。密集した熱い車内。
渋滞でなかなか進まないせいで、窓から風も入ってこない。
それでも、みんな喉の渇きと空腹に耐えながら、いつか終わるであろうこの時に身を委ねている。
多少ぐったりはしているけれど、それでもみんな明るく元気だ。
そんな乗客たちとは対照的に、運転手はかなりイライラしている様子だった。
ノロノロ運転で交差点に差し掛かると、赤信号なのに無理やり交差点に侵入。
他の車が入る隙を与えないために、前の車とほぼ接触しているし、
隣の車線の列が動き出すと、ものすごい勢いで隣の車線に割り込む。超危険運転!!
なんて勝手な人!!!!!!
と、ここまでは、実はセネガルではよくあること。運転マナーなんて存在しない国。
「お先にどうぞ」そんなものはない。
ましてやラマダン中。
この多少荒い運転にも、乗客達は
「あーあー、運転手、断食にやられちゃってるよ。笑」
「断食って辛いよね。」
「わはははは」
と終始、和やかな空気に包まれていた。
この手の会話は、ラマダン中よーーく出て来る。
怒ってる人、イラついてる人、眠そうにしてる人、に対してお決まりのように使われる言葉だ。
もはや定型文!笑
しかし、
徐々に加速する運転手の行き過ぎた行為に、楽観的ではいられなくなってくる。
渋滞のイライラに、いや、空腹のイライラに、我慢の限界に達したのか、
二車線道路を独自に三車線で突き進み、
ついには対向車線に出て逆走。対向車が来ると、無理やり元の車線に入り込む。あわや正面衝突。
バス停に止まると毎回、乗客が降りきっていないのに急発車。転倒した乗客が文句を言いに運転手の元へ行くが、完全無視。。。
さらには、バス停で待ってる客を完全に無視。乗車させない。乗車拒否・・・
こんなの初めて見た・・・。なんの為に走ってるんだよバス・・・。
乗客も、怒鳴る人、諭す人、悲鳴をあげる人、
車中がざわめき始めた。
それでも気にせず、ひたすら無視して荒い運転を続ける、お腹ペコペコ運転手。
渋滞の道をショートカットしようと、ガソリンスタンドに侵入!
無理やり突き進み、バス停の看板に擦ったーー!!
と思ったら、次の瞬間には、給油を終えて出てきた乗用車に接触!!!
ようやく暴走バスは止まった。
・・車からは白人のオバさんがすんごい剣幕で降りてきた。
さらに、なんとそこには二人の警察官が。
ようやく運転手の暴走は止まり、私たち乗客は
「こいつはずーーっとこうだった」
「降りる人がいるのに、止まらなくてケガした人もいた」
「誰の話も聞こうとしなかった」
「事故ることは、予想できた。」
と、口々に警官にチクりバスを降りたのだった。
こんなこと、日本で起きたら完全アウト。逮捕、謝罪会見どころの騒ぎじゃないだろう・・・
ある意味飲酒運転よりタチ悪い。。。
なんの為の断食なんだろう。。。
幸い皆無事だったけれど、大惨事になりかねない。
今年もラマダン中たくさんの事故を目撃したし、何度も暴走する車に乗った。
空腹というのは本当に恐ろしい。
という事を毎回実感する、セネガルのラマダンだ。
セネガルで過ごすラマダンが楽しい!とか書いておきながら、全然楽しさが伝わってこないので
楽しみの一つ、断食明けの食事、Ndogou(ンドグ)の紹介を!
日没のティミスという時間に、断食明けの食事をとる。
その時間になった瞬間に食べられるように、みんな準備万端でその時を待つ。
今のセネガルの日没は19:30頃。
18時半ごろから、もうみんなンドグの準備にかかる。
この時間に合わせてパン屋のパンが焼きあがるので、みんな一斉にパンを買いに行く。
パン屋の長い行列はラマダン名物だ。ほかほかの焼きたてパンを手にすると、もはやンドグまで待ちきれない。
道端には色んなンドグ売りが出ていて、各々好きなものを。
その一方で、パンでンドグをしない人たちもいる。
プラ族の人々のNdougouは、トーという、ニャンビ(芋の一種キャッサバ)を潰して蒸したものにソースをかけて食べたり
フォンデボックという、トウモロコシを粉にして甘ーいスープにしたもの、(コーンスープって事か!!)などを食べる。
労働者や出稼ぎの人が多い地域だと、こういったNdogou屋に遭遇できる。
トーは、お餅みたいだ。
アフリカ料理に詳しい人なら、「フーフー」といえば分かるだろうか。
わたしも、今年は何度もトーを買った。
もちもちした食感にやみつきだ。餅好きな私は、いくらでも食べられる。
ラマダンが終わったら食べられなくなってしまうのが、とても残念。
ちなみに、この写真の量で500cfa 約100円なり
ラマダン月に行う善行はボーナス的要素があるとされているので、街中では、水、コーヒー、パン、タンダルマ (ナツメヤシ)、など、ンドグを無料で提供する人々を見かける事がある。
バイファルというムリット教団の人々は、主にカフェトゥーバというコーヒーを振る舞う。
車で移動中でンドグを用意できてない人たちに、駆け寄っていってコーヒーを配る。
このンドグの受け取りによって、またまたプチ渋滞が発生してたりする。
で、またこのコーヒーが格別だったりする!!
ティミス (日没) を知らせる合図がモスクから流れる。
その瞬間、道端から人が消え、静まり返る。
みんな食べてるんだ。もくもくと。
この瞬間が、たまらなく好き。
残すところあと1日。か2日。(ここセネガルでは、月が見えたか見えないかでラマダン月の始まり終わりが決まるので、その日まで分からないのだ。)
Ramadan kareem